野生生物の需要が高まることで密猟や違法取引が増加する状況の中、クリエイターがペット需要を喚起することなく、適切に野生生物を取り扱い、コンテンツを制作できるようにすることが求められています。それに加えて、視聴者が野生生物保護に関する正確な知識を持ち、誤解を未然に防ぐことも大切です。しかしながら、クリエイターは野生生物を取り巻く問題を知る機会や、野生生物について適切な表現であるか判断する手段がないことから、取引の需要を喚起するリスクを判断することが難しくなっています。また、クリエイターのコンテンツを扱うメディア企業やデジタルプラットフォーマーにおいても、生物多様性や種の知識、野生生物違法取引に関する専門家がおらず、リスク発生を防ぐことに至っていません。
クリエイターが野生生物を使いたいと思ったとき、その種にはどのようなリスクがあり、どう描くべきかを判断できる手段が必要となります。この手段が確立されれば、前章で述べた５つのリスクを最小化し、野生生物のペット需要を押さえることに繋がります。５つのリスクを抑えた発信を目指し、適切な使用種と描き方が分かる手段を確立させること、どのようにクリエイターのリテラシーを高めていくかという点が今後の課題となると考えます。
