1つ目の事例は、『ハリー・ポッター』シリーズのシロフクロウです。作品中に人間がシロフクロウと触れ合うシーンが頻繁に出てきたことにより、これまで飼育されてこなかった地域では、ハリー・ポッター上映後にフクロウの取引個体数が増加したという事実があります。(Nijman et al., 2017. Global Ecology and Conservation 11: 84–94.)
2つ目の事例は、テレビアニメ『あらいぐまラスカル』のアライグマです。この作品ではアライグマがペットとして描かれていることから、アライグマがペットとして注目を集めました。その影響で、アライグマがペットとして大量輸入されたものの、見た目の愛らしさとは裏腹に気性が荒いことから、逃げたり捨てられたりして野生化進みました。これにより、野生化したアライグマが日本で増加しています。(読売新聞 (2020)「果樹園の男性「アライグマは北米に帰れ」…ラスカルのブームで大量輸入、その後野生化が進む」)
3つ目の事例は、テレビ番組「天才!志村どうぶつ園」のカワウソです。この番組では、著名人が幼いカワウソと旅行したり、カワウソを育てたりする様子を放送し、カワウソの可愛さや親近感を強調する長期シリーズが放送されました。これが、カワウソをペットとして購入する動機になっていたことが分かっています。(OTTER ALERT:日本に向けたカワウソの違法取引と高まる需要の緊急評価:繧ォ繝ッ繧ヲ繧ス_j_finish.indd (wwf.or.jp))
野生生物取引において、需要があれば商機をみて売ろうとする人が出てきます。野生生物の需要が高まり密猟や違法取引が加速すると、野生生物の個体数が減り、希少性が高まります。それにより、野生生物の価格が高くなり、リスクを冒して得られる報酬がより魅力的になることで、密猟や違法取引がより活発になります。つまり、野生生物の需要が高まることが密猟や違法取引を増加させる要因となっています。